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家づくりの豆知識
2020/11/30
『家事動線』とは家事を行う際に、動く道筋です。これから家を新築・リフォームを検討されている方にとって、考えなければならない項目の一つです。
というのも、『家事』で移動する距離や、移動の仕方によって、家事を行うときのストレスのかかり方が違いますし、より多くの時間を家族とのコミュニケーションの時間に使えたりするなど、時間の使い方が変わります。家事がラクになる『家事楽』動線が注目されている今、目を向けるときなのです。
コラムのポイント
・家事楽動線の考え方は
・家事動線は各家庭によって違う作用があります。
・家事を行う人を一人に決めつけないことです。
・家事動線では「収納」場所を考えることも、家事をラクにするポイントです。
家事動線とは、洗濯・掃除・料理などの家事を、行うための動線(人の動きの道筋)です。
家事”楽”動線とは、家事を効率よく、無駄な動きをせずに行うための動線です。家事は同時進行に行うものという前提条件をまず考える必要があります。
家事を行う方が主に一人として考えると、朝起床し、キッチンに向かいます。冷蔵庫などから必要な食材を取り出し、洗うなど料理の準備を行います。
洗濯物を色柄物や下着など区分けし、ネットに入れ、洗濯機をまわすセットをします。時間によって、洗濯機をまわし始めれば、朝ごはんの調理を開始し、またひと段落つけば、パートナーや子供を起こします。
小さなお子様であれば、誤飲しないか見守ったり、家事を行う方がご飯をあげることもあります。
タイミングを見計らい、自身の食事をしたりすることもあれば、子供のしたくを手伝うこともあるでしょう。1分でも早く準備を済ませ、送り出すことになります。
同時に仕事に行く場合は、洗濯物を干すこともあります。
何よりお伝えしたいことは、
家事は『同時進行』で行われることを念頭に置いていただきたいのです。
・横にある部屋は何か
・誰でも使いやすいようになっているか
・収納は適材適所に確保されているか
・電気配線(コンセントと配置場所)
それぞれ詳しく理由を考えみましょう。
キッチンの横にダイニング/リビングがあることが多いと思いますが、キッチンで作った料理をダイニングに運びますよね。
ここで、真横にあることで、無駄な動きをしなくてすみます。
他にもキッチンの横にパントリー(キッチンの収納場所)があることで、食品の保管や利用回数の少ない調理器具や家電を置くことができますし、いざ使いたい時に取りに行くのも少ない距離の移動で、効率よく動くことができます。
家事を行うのは、主に家にいる人のため、その人が把握している、その人の動き方に沿った部屋割りをしていれば、家事”楽”動線ができ上がると考えていませんか。
確かに、家事をメインに行う方はいらっしゃると思いますが、共働きや単身世帯という理由でヘルパーに家事の代行を依頼することもあるでしょうし、家庭内で、できるときにできる人が行うという考え方で家事を行う場合なら、決して一人ではありません。
例えば食器洗剤一つ、どこに保管しているのか見つけられず、結局家事を行うメインの人に聞くというスタイルでは、結局家事をメインで行っている人の手をわずらせたり、他の作業をストップさせてしまったりと、手伝う・代わりに行う意味がないのです。
先ほどお話の中で、パントリーはキッチンの横にあるといいとお伝えしました。パントリーは食品系を収納しておく場所(一つの小さな部屋)です。
パントリーがキッチンの横にあるから、家事動線を短くできますし、リビングとの間に設ければ、リビングで使うものも少し置いておくことができるので、キッチンやリビングがスッキリしますし、必要なときにすぐに取り出せて使えるため、利便性も向上します。
限られた床面積の中で、収納スペースを共有することも少なくないでしょう。しかし、量を加減できるように、各部屋の収納スペースは確保していなければなりません。
キッチンで使うものはキッチンに、リビングで使うものはリビングに、洗面所で使うものは洗面所にといった形です。
リビングとキッチンの間に収納スペースを小さな部屋(パントリー)として設けた場合、ミニ納戸と化してしまい、なぜか洗面所で使うものを置いてしまったりとか、掃除機の保管場所にしてしまったりとか、何でもスペースにしてしまい、ごちゃごちゃになってしまう可能性が高くなります。
それでは「適材適所」にものを置くことにはならず、家事の煩雑化にも繋がってしまいます。
間取りにばかり考えがいってしまい、盲点となりやすいのがコンセントの位置です。掃除機を行うとき、コードレスでない限りはコンセントにさして掃除をします。
一つのコンセントにさしたまま全部の部屋の掃除が完了できることは、まれです。各部屋ごとに差し替えて掃除機をかけますので、特に広い家の場合、一つの部屋でも対角線上に配置することで、全体的に掃除ができるようになります。
特に注意したいのはキッチンです。
というのも冷蔵庫、電子レンジ、コーヒーメーカー、トースター、炊飯器など毎日のように使用する家電がありますし、特に調理スペースで、コンロ近く(上側)にコンセントがあるのと、足元側に設置するのでは、利便性が大きく異なることがあります。
調理スペースの横(上側)にコンセントを必要とされる方の多くは、臨時でハンドミキサーを利用したり、ジューサーを利用したりすることが多い人でしょうし、あまりそういった調理家電を使われない方にとっては、上側のコンセントは意味のないものとなります。
何より、一つの家事の行程と行う場所を書き出すことをしましょう。人によって行動パターンが異なります。
一例ですが、洗濯で考えてみましょう。
1.洗濯カゴの中を仕分けして洗濯機に入れる
2.洗濯機を稼働させる
3.洗濯物を取り出し、干しやすいように区分けやシワ伸ばし(仮ただみ)し、カゴに入れる
4.カゴを持ってベランダに移動する
5.干す
これだけ細分化され、手間がかかります。
2の行程では、同時に料理をしたり掃除をすることもしばしばありますね。
だからこそ、どこに何の部屋があれば、移動距離を短くし、効率よく家事が行えるのかが、家事を”楽”にするポイントとなるのです。
誰にでも使いやすいことも考えるのも大切とお伝えしていますが、誰にでも使いやすいことを考えるのは、その各部屋内での配置だけで大丈夫です。
部屋と部屋のつながりに関して、重きを置くことが「間取り」で失敗することが減ります。
HOKUSHIN(北伸建設株式会社)は、地元山梨県北杜市を中心に、約40年、3つのモデルホーム「雨楽な家」「雨楽な家ZEH」「パッシッブデザインの家」を軸に新築・リフォーム事業を展開しています。
また、「子育て世代でも手の届く家づくり」をコンセプトを基本に、自然素材のものを使い、極力化学物質を使わないようにし、木のぬくもりを感じる家へとなる建築・リノベーションを行っています。
打ち合わせにおいても、ヒアリングを大切にし、できる限りご希望に沿うように心がけておりますので、お気軽にお話ください。
どんな風に家事を行っているのか、行っていきたいのか、じっくり考えましょう。
参考までに過去の事例をご覧ください