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2025/12/10
木造住宅に対して、布団から出るのが億劫になるほどの底冷えや、窓際から忍び込む冷たいすき間風を想像する方も多くいらっしゃいます。
しかし、「木造=寒い」というイメージは誤解で、現在の技術で建てられた木造住宅は、高い断熱性と気密性を備え、年中快適に過ごせる居住空間を実現可能です。
本記事では、木造住宅は本当に寒いのか、寒さを感じる原因と家づくりのポイント、よくある質問について解説します。
木造住宅をご検討中の方、寒さの原因とそれを解消する家づくりのポイントを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
コラムのポイント

「木造=寒い」というイメージを持たれている方は多くいらっしゃいますが、これは大きな誤解です。
木材は本来、断熱性に優れた素材で、寒い冬でも暖かい住まいを実現できます。
鉄やコンクリートと比較すると、木材の熱伝導率は低く、外気の冷たさを室内に伝えにくい性質を持っています。
実際、スギやヒノキなどの主要木材の熱伝導率は、鉄の約1/400、コンクリートの約1/10程度です。
つまり、構造材としての木は「暖かさを保ちやすい素材」と言えるのです。
それでも「木造=寒い」というイメージが根強いのは、築年数の古い木造住宅に、断熱材の不足や気密性の低さなど技術的な問題があったためと考えられます。
現在の木造住宅は、適切な断熱処理や気密施工の技術が確立されているので、冬でも暖かく、光熱費を抑えられるといった大きな魅力があります。

木造住宅で寒いと感じる場合、以下の4つの構造的な原因が考えられます。
それぞれの原因がどのようにして寒さを引き起こすのか、詳しく解説します。
住宅の気密性とは、建物のすき間をどれだけ少なくできているかを示す性能です。
気密性が低いと、壁や窓のわずかなすき間から冷たい風が侵入し、室内の暖かい空気が逃げてしまいます。
気密性能は、「C値(相当すき間面積)」という指標で表され、数値が低いほど高気密です。
現在の高気密住宅では、一般的にC値1.0㎠/㎡以下が目安とされています。
窓や扉は、住宅全体で熱の出入りが最も大きい場所です。
環境省が公表する資料によると、冬の暖房運転時に窓や扉から逃げる熱の割合は、住宅全体の約58%に及ぶとされています。
窓の性能が低いと、室内の暖かい空気が冷やされ、室内の温度低下につながります。
また、窓の表面で冷やされた冷気が下降する「コールドドラフト現象」が発生し、足元の冷えや部屋全体の暖まりにくさを引き起こすのです。
〈参考〉環境省 環境白書
断熱材は、屋外の冷気や熱気を遮断し、快適な居住空間を維持する役割を担います。
壁・床・天井への断熱材が不足する場合、外気の冷たさが室内に伝わりやすくなり、寒さを感じるのです。
また、窓表面や建物内部で結露しやすくなるため、カビの発生につながります。
使用される断熱材の量は十分でも、施工が低品質な場合、冷気を遮断しきれずに室内が冷え込むケースもあります。
このように、断熱材はご家族の快適な暮らしを実現するだけでなく、家の寿命にも影響する重要な要素です。
床下からの冷気で足元が冷える「底冷え」は、木造住宅で寒さを感じる大きな原因の1つです。
底冷えは、主に以下の2つの要因で発生します。
特に、基礎断熱や床下断熱が不十分な場合、または床の気密施工が適切に行われていない場合に、底冷えが起こりやすくなります。
北伸建設では、「寒い」と感じる根本的な原因を解消した木造住宅をご提供しています。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

ここまで解説してきた「木造住宅で寒いと感じる構造的な原因」を根本から解決するには、適切な気密・断熱設計、換気計画などが重要です。
この章では、寒くない木造住宅を実現するための家づくりのポイントを紹介します。
寒くない木造住宅を実現するためには、窓の性能にこだわることが重要です。
具体的には、単板ガラスではなく複層ガラス、アルミサッシではなく樹脂サッシを選ぶのが効果的です。
2枚以上のガラスを組み合わせて作られた複層ガラスは、室内の暖かさを逃がさず、外からの冷気を遮断する効果があります。
樹脂サッシは、アルミサッシに比べて熱伝導率が低く、室内の温度変化を最小限に抑えられます。
「寒くない木造住宅」を感覚ではなく、明確な数値で判断することで、満足度の高い高性能な住まいを実現できます。
目標とする断熱性能は、「ZEH基準」以上を目指しましょう。
ZEH基準とは、年間の一次エネルギー消費量(エアコン、換気、照明、給湯など家庭内設備に使われるエネルギーの総量)の収支をゼロ以下にすることを目指す省エネ基準です。
より簡単にお伝えすると、電気を使う量よりも生み出す量の方が多い状態を目指すための基準です。
ZEH基準を満たす断熱性能は「断熱性能等級5」以上が求められ、住宅の熱の逃げやすさを示すUA値(外皮平均熱還流率)が基準値を満たす必要があります。
断熱性能等級は地域区分ごとに設定されており、山梨県北杜市を含む「6地域」ではUA値0.6以下が基準値となっています。
ZEH基準の住宅の特徴や詳しい制度内容について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
冬も暖かく過ごせる木造住宅を建てるには、気密測定を実施しているハウスメーカーや工務店を選ぶことが重要です。
気密測定の実施は、施工技術の高さと品質管理への真摯な姿勢を示す重要な指標となります。
具体的には、C値(相当すき間面積)の測定を実施しているかを必ず確認しましょう。
「C値1.0㎠/㎡以下」のように、社内で目指すC値の基準に対して、どれだけ精密に数値を満たせているかを会社選びの判断軸に据えることで、家づくりの失敗を防げます。
基礎や床下からの底冷えを解消するには、基礎断熱や床断熱を採用するのが有効です。
基礎断熱は、コンクリート基礎の外側に断熱材を施工する工法です。
一方、床断熱は、床材の下に断熱材を施工し、底冷えを軽減します。
これらの断熱施工以外に、ご家族の滞在時間が長いリビングなどでは、床暖房を採用するのも効果的です。
現在の住宅は24時間換気が義務付けられていますが、一般的な換気扇では、冬場の冷たい空気をそのまま室内に取り込んでしまいます。
そこで採用したいのが、「熱交換型換気システム(第1種換気)」です。
この換気システムは、室内の暖かい排気から熱を回収し、取り込む外気に熱を移してから給気します。
室温の変化を最小限に抑えながら新鮮な空気を取り込めるので、常に心地よい居住空間を維持できるのです。
また、エアコンやストーブといった暖房設備の負荷を軽減でき、光熱費の削減にもつながります。
24時間換気システムについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

最後に、木造住宅の寒さ対策に関してよくある質問にお答えします。
多くの方が不安に思うポイントを先回りして解消し、後悔のない家づくりを実践しましょう。
結論からお伝えすると、高気密高断熱住宅は高性能な窓や断熱材、設備等を採用するため、建築コストが高くなる傾向があります。
しかし、住宅の性能が高い分、毎月の光熱費削減や建物の長寿命化を図れるため、住み始めてからのランニングコストを抑えられます。
目先の出費だけでなく、長期的な視点で費用と性能のバランスを考慮したうえで、家づくりの計画を行いましょう。
冬も寒さを感じにくい高気密高断熱な家づくりが得意な会社を見分ける際のポイントは、以下のとおりです。
上記のポイントは、公式ホームページやカタログ、モデルハウスや相談会で直接担当者に質問することで確認できます。
木造住宅のハウスメーカー選びのポイントや工務店との違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
「冬に暖かい家は、夏は暑いのではないか」と不安を感じる方もいらっしゃいますが、高気密高断熱住宅なら夏は涼しく過ごせます。
高い気密・断熱性能が外の熱気の侵入を防ぐと同時に、冷房の効きを高めてくれるのです。
季節ごとの温度差によるストレスや体への負担を軽減し、エアコンの使用を最小限に抑えられるので、健康にも経済的にも大きなメリットがあります。
北伸建設では、冬も暖かく過ごせる木造住宅をご提供しているので、興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。
今回の記事では、木造住宅は本当に寒いのか、寒さの原因とその解消に役立つ家づくりのポイントについて詳しく解説しました。
現在の木造住宅は、木材本来の熱伝導率の低さと最新の施工技術、高性能な資材や住宅設備により、冬でも暖かく快適に暮らせる性能を備えています。
本記事の内容を参考に、木の温もりを肌で感じられる暖かな住まいを実現してください。

HOKUSHIN(北伸建設株式会社)は、地元山梨県北杜市を中心に、「居心地の良い住まい」を届けたいという想いで、子育て世代からセカンドライフを考える方まで、誰もが健康的に暮らせる家をご提案しています。
自然素材を使い、化学物質をできるだけ使わない家、現在は、2つのモデルホーム「自然素材たっぷりでやわらかな住み心地の家」「365日どんな季節も床から快適な家(全館空調の家)」を軸に新築事業を展開中です。
ぜひ施工事例もご覧いただき、ご相談ください。
【モデルホーム】
・365日どんな季節も床から快適な家(全館空調の家)
パッシブデザインを取り入れ、全館空調で家じゅうどこにいても快適な温度を保てる家です。
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・自然素材たっぷりでやわらかな住み心地の家
勾配天井や薪ストーブを設けるなど、木のぬくもりを活かした家です。
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