家づくりのご提案
施工事例
家づくりの豆知識
2025/05/10
家づくりや住まいのデザインを考える中で、「土間」という言葉を耳にする機会が増えているかもしれません。
昔ながらの日本の家に見られた「土間」が、現代のライフスタイルに合わせたかたちで再び注目されています。
というのも、収納や趣味のスペース、家族や友人と気軽に集まれる場所、アウトドア用品の手入れや野菜の一時置き場としてなど、さまざまな使い方が広がっているからです。
今回は、建築用語での「土間とはそもそもどんな空間なのか」を明らかにします。
また現代の住まいに合った土間の種類や活用方法、仕上げや素材の選び方、実際の施工事例まで、わかりやすくご紹介します。
コラムのポイント
目次 [閉じる]
「土間」とは、建物の中にありながら床が土やコンクリートなどで仕上げられた、靴を履いたまま使える空間のことを指します。
昔の日本家屋では、かまどで料理をしたり、農作業の道具を置いたりと、生活の中で欠かせない空間でした。
屋内と屋外をゆるやかにつなぐ役割を持ち、暮らしの一部として自然と溶け込んでいたのです。
現代の住宅では、伝統的な役割を受け継ぎつつ、より使いやすく、おしゃれに進化しています。
玄関とリビングの間に設けたり、ダイニングやワークスペースと組み合わせたりすることで、ライフスタイルに合わせた多様な使い方が可能です。
ONE POINT 【土間と玄関の違い】
「土間」と玄関は似た位置にあることが多いため、混同されがちですが、機能やデザインの考え方に違いがあります。
一般的な玄関は、靴を脱ぐことが主な目的のスペースです。
一方、「土間」は靴を履いたまま自由に動き回れる空間であり、収納や作業、趣味など、暮らしの中で実用性の高い使い方ができる点が大きな特徴です。
山梨県で、新築住宅の土間の取り入れ方について具体的なイメージを深めたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
「土間」は配置や広さ、つながる部屋によって使い方が大きく変わります。代表的な種類ごとに、特徴と活用方法をご紹介します。
玄関から続く形で設けられる「土間」です。
シューズクローゼットやベビーカー、アウトドア用品、自転車などの収納スペースとして活用されることが多く、靴の脱ぎ履きだけでなく、一時的な荷物置き場としても重宝されます。
また、室内に入る前の“中間領域”として、暮らしにゆとりをもたらす役割を果たします。
玄関「土間」に自然素材を使えば、雰囲気のある迎え入れの場としても、おしゃれであたたかみのある空間になるため、おすすめです。
リビングに隣接する形で設けられた「土間」です。庭とのつながりを感じられる設計が多く、内と外をつなぐ開放的なスペースとなります。
例えば、アウトドア用品を仮置きしたり、土付きの野菜を広げたりといった使い方も可能です。
コンクリートや天然石の仕上げと木材の床を組み合わせることで、異素材のコントラストが生まれ、空間に奥行きとデザイン性を加えられます。
ダイニングテーブルの下や周辺を「土間」にするスタイルです。
床材に硬く耐久性のある素材を使うことで、椅子の出し入れがしやすく、掃除のしやすさも魅力のひとつです。
また、火を使う調理器具や薪ストーブなどと組み合わせと、空間にあたたかみと実用性をもたらします。
土間の質感が、自然素材のテーブルや椅子と調和し、落ち着いた食卓の雰囲気を演出します。
玄関から庭や勝手口へとつながる、家の中を通り抜けるように設けられた「土間」です。かつての町家に多く見られた形で、通風や採光、動線の効率化に優れています。
現代新築住宅では、土間を通じて家族や来客の動線を分けたり、荷物の運び入れをスムーズにしたりと、日々の暮らしに機能性を加える設計として再注目されています。
薪ストーブの薪置き場や、作業用の流し台を組み合わせることで、さらに便利なスペースにすることが可能です。
室内からそのまま続くように配置され、唯一、屋外空間に該当する「土間」です。
コンクリートや石張りで仕上げることで、バーベキューやDIY作業、子どもの遊び場として多目的に使えます。
自然素材の外壁や木製のデッキと調和させれば、見た目もあたたかみのある空間に仕上がります。
「土間」の印象や使い勝手は、仕上げや素材選びによって大きく変わります。
おしゃれに仕上げながらも、暮らしの中で扱いやすいデザインや素材を選定することがポイントです。
「土間」は、表面の仕上げによって雰囲気も機能性も変わります。それぞれの特徴を理解し、暮らしに合った仕上げを選ぶことが重要です。
・金ゴテ仕上げ(かなごてしあげ)
表面を滑らかに整えます。無機質でシャープな印象に仕上がります。掃除がしやすいメリットもありますし、モダンな空間との相性がいいです。
・刷毛引き仕上げ(はけびきしあげ)
表面に細かい溝をつける仕上げで、滑りにくさが特徴です。濡れても歩きやすいため、玄関や外部に面した土間に適しています。
・洗い出し仕上げ
表面のモルタルを洗い流し、中の骨材(砂利)を見せる仕上げです。風合いが豊かで、和風・自然派の住宅にもよく合います。
使用する素材によっても、「土間」 の耐久性や雰囲気に違いが出ます。空間の用途や好みに応じて選ぶことがポイントです。
・コンクリート
土間の定番素材です。耐久性に優れ、シンプルで無機質な印象が魅力です。仕上げによって印象を調整できます。
・モルタル
セメントと砂を混ぜた素材で、やや柔らかくナチュラルな印象です。ひび割れが入りやすいため、目地を入れるなどの工夫が必要です。
・タイル
汚れに強く、デザインのバリエーションも豊富です。玄関や水まわりに使うと、清掃性も高まります。滑りにくいタイプを選ぶことが理想的です。
・天然石(板石・砂岩など)
自然素材ならではの質感が魅力です。外部との調和やナチュラルな空間づくりに適しており、経年変化も楽しめます。
・レンガ・テラコッタ
素朴な印象を与える素材で、南欧風やカントリー調の住宅に向いています。柔らかい色味であたたかみのある空間になります。
「土間」だけではなく、住まい全体をあたたかみのある雰囲気に仕上げるなら、自然素材と組み合わせることがおすすめです。以下のような組み合わせがよく使われます。
・コンクリート土間 × 無垢フローリング(異素材のコントラストで空間に奥行きを演出)
・天然石の土間 × 木製建具や梁(自然素材同士の調和で落ち着いた印象に)
・タイル土間 × 漆喰壁(清潔感と柔らかさのある空間づくり)
素材や仕上げの選び方ひとつで、土間は機能だけでなく、住まいの雰囲気を左右します。ライフスタイルに合わせて、使いやすさと見た目のバランスを意識して選ぶことがポイントです。
「土間」には、暮らしを便利にするさまざまなメリットがあります。一方で、設計上の注意点もあるため、あらかじめ把握しておくことが重要です。
・屋外とのつながりを保ちやすい:濡れたものや泥付きの野菜、アウトドア用品などを気兼ねなく置ける
・多目的に使える:収納や趣味の作業場、ペットスペースなど、ライフスタイルに合わせて自由に活用できる
・自然素材や外観と調和しやすい:仕上げ次第で落ち着きのある空間にできる
・冬場は冷えやすい:床下断熱の工夫や暖房の補助があると快適性が向上
・ほこりがたまりやすい:仕上げ材を選ぶ際は、掃除のしやすさも考慮する
設計段階で用途や素材をしっかり検討することで、こうした課題も抑えられます。ライフスタイルに合った土間づくりをご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
実際の住まいで取り入れられた土間の使い方を見ていくと、多様性がわかります。
玄関からつながる土間を広めに確保することで、自転車の収納やメンテナンスに便利です。壁面収納と組み合わせることで見た目もすっきりします。
▶︎▶︎▶︎詳しくは【ピットガレージのある家(長期優良住宅)】へ
ワークスペースとして「土間」を活用しています。掃除がしやすく、屋外との行き来もスムーズで、作業効率が高まります。
通り土間に薪ストーブを設置し、薪の一時置き場も兼ねた設計です。動線が整理され、冬の寒さ対策にもつながります。
自然の多い地域では、屋外と室内をつなぐ中間領域として「土間」が活躍します。郊外や田舎での暮らし、アウトドア趣味と相性が良く、快適性を高めるポイントをご紹介します。
・外とのつながりを意識した配置:勝手口や庭に面した土間で、動線をスムーズに
・自然素材との調和:無垢材や石材との組み合わせで、周囲の風景になじみやすく、居心地のよい空間に
実用性と快適さを両立させ、自然環境を活かした住まいづくりに「土間」が役立ちます。土地の条件や暮らし方に合わせたプランをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。
「土間」は、暮らしの幅を広げる多機能な空間です。玄関とのつながりや収納、趣味、自然との関わりまで、さまざまな活用が可能です。
仕上げや素材を工夫すれば、デザイン性と実用性を兼ね備えた空間づくりもできます。
ライフスタイルに合わせた「土間」のある住まいづくりに、少しでも参考になれば幸いです。
HOKUSHIN(北伸建設株式会社)は、地元山梨県北杜市を中心に、約40年、「子育て世代でも手の届く家づくり」をコンセプトを基本に、自然素材のものを使い、極力化学物質を使わないようにしています。
子育て世帯が手の届く価格で、快適に過ごせる木のぬくもりを感じる家、3つのモデルホーム「雨楽な家」「雨楽な家ZEH」「パッシッブデザインの家」を軸に新築事業を展開中です。
また薪ストーブのある、ウッドデッキのある家と自然が近くにある暮らしをご提案しています。
ぜひ施工事例もご覧いただき、ご相談ください。