家づくりのご提案
施工事例
家づくりの豆知識
2026/10/15
漆喰と珪藻土は、どちらも職人がコテで塗って仕上げる自然素材の壁材で、見た目だけでは違いが分かりにくいです。
壁材を選ぶうえでは、見た目の質感だけでなく、機能面でも特徴を押さえておくことが大切です。
そこで本記事では、漆喰と珪藻土の違いと失敗しない選び方、よくある質問を解説します。
内装の壁材選びでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
このコラムを読んだら分かること

漆喰と珪藻土の大きな違いは、材料そのものが自ら固まるかどうかです。
漆喰は主原料の消石灰が空気に触れて自ら固まり、珪藻土はそれだけでは固まらないため、固めるための材料を混ぜて仕上げます。
まずは、壁材として用いられる漆喰と珪藻土それぞれの特徴を見ていきましょう。
漆喰は、消石灰(水酸化カルシウム)を主原料とする塗り壁材です。
塗った後に空気中の二酸化炭素を取り込みながら、少しずつ固まっていきます。
時間をかけて硬くなり、年月の経過とともに丈夫な壁になっていきます。
古くから土蔵などの壁に使われてきた、日本の伝統的な建築素材です。
主原料の消石灰は強アルカリ性のため、カビが生えにくい性質もあります。
製品によっては、ひび割れを防ぐことを目的とした麻などの繊維や、海藻からつくった糊が配合されています。
配合は製品ごとに異なるため、「漆喰」という名前だけで中身を判断しないことが大切です。
北伸建設の家づくりでも、壁の仕上げに漆喰を採用しています。
珪藻土は、珪藻と呼ばれる藻類の殻が、海や湖の底に長い年月をかけて積み重なってできた素材です。
目に見えないほど細かな穴が無数にあいた「多孔質」の素材で、湿気を吸ったり吐き出したりする調湿性が特徴です。
珪藻土は単体では固まらないため、壁材にするには固化材を混ぜる必要があります。
固化材には、セメントや樹脂、石膏、消石灰などが使われ、どれを使うかで表面の強度や性能が変わります。
また、漆喰に珪藻土を混ぜた製品など、2つの素材を組み合わせた壁材もあります。
珪藻土の壁を選ぶときは、「珪藻土」という名前だけでなく、何で固めているかまで確認しましょう。
漆喰壁のメリット・デメリットや、おしゃれな内装に仕上げるポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。

ここでは、漆喰と珪藻土の主な違いを、表にまとめました。
| 比較項目 | 漆喰 | 珪藻土 |
|---|---|---|
| 主な原料 | 消石灰 | 珪藻土と固化材 |
| 固まる仕組み | 空気中の二酸化炭素を取り込み、自ら固まる | 単体では固まらず、固化材で固める |
| 見た目 | 白くなめらかな仕上がりが多い | 素朴でマットな仕上がりが多い |
| 主な特徴 | 強アルカリ性でカビが生えにくい | 細かな穴が湿気を吸ったり吐き出したりする |
| 気をつけたい点 | 建物の揺れなどでひび割れが生じることがある | 固化材の種類によっては表面がこすれに弱い |
| 費用 | 製品・面積・仕上げ方で変わる | 製品・面積・仕上げ方で変わる |
実際の仕上がりや性能は、製品や仕上げ方によって異なります。
見た目・機能・強度・費用の違いについて、詳しく見ていきましょう。
漆喰は、白くなめらかな仕上がりになりやすい壁材です。
コテで平らに押さえると、光をやわらかく受け止める、つるっとした肌触りの壁になります。
一方、珪藻土は、土のような素朴でマットな風合いに仕上がりやすい素材です。
ざらっとした手触りが残る仕上げが多く、ナチュラルで落ち着いた雰囲気をつくれます。
ただし、仕上がりの表情は、どちらもコテの動かし方や混ぜる材料しだいで大きく変わる点に注意してください。
漆喰に骨材を加えてマットに仕上げたり、珪藻土を漆喰のようにフラットに仕上げたりする方法もあります。
色も白だけでなく、淡い色を付けられる製品があります。
壁の色や質感は、小さな見本と広い壁とで印象が変わるため、できるだけ大きなサンプルや実際の壁で確かめましょう。
珪藻土の大きな特徴は、湿気を吸ったり吐き出したりする調湿性です。
部屋の湿度が高いときは湿気を吸い、乾燥しているときは湿気を出して、急な湿度の変化をやわらげます。
漆喰の大きな特徴は、強アルカリ性によるカビの生えにくさです。
主原料の消石灰は強アルカリ性で、カビが発生しにくい性質をもっています。
ただし、年月が経って中性化が進んだ壁や、ほこりが付いた部分には、カビが生えることもあります。
また、漆喰にも調湿性や消臭性はあり、どちらか一方だけの機能ではないこともご承知おきください。
性能の程度は製品や塗り厚、試験の条件によって異なるため、候補となる製品のカタログで比べることが大切です。
調湿性能を第三者が評価した「調湿建材」の表示がある製品もあるため、資料を比べるときの参考にしてください。
漆喰は時間をかけて硬くなるため、表面が丈夫な壁になります。
塗りたての時期に少量の粉が出ることはありますが、拭き取れば出続けることはほとんどありません。
一方で、硬い分、建物の揺れなどでひび割れが生じることがあります。
細いひび割れなら、同じ漆喰を粉にしてすり込み、目立たなくする補修が可能です。
珪藻土は、固化材の種類や配合によって表面の硬さが変わります。
表面がやわらかめの製品では、強くこすると表面の状態や質感が変わることがあります。
特に、家具や人の手がよく当たる場所の壁では、表面の強度を製品の資料で確かめておきましょう。
漆喰壁で後悔しやすい点と対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
漆喰や珪藻土は、製品の種類や仕上げ方によって費用が変わります。
また、下地の状態や塗る面積、塗り重ねる回数によっても、費用は上下します。
どちらも職人が下塗りから仕上げまで手作業で行うケースが多いため、ビニールクロスに比べると費用がかかりやすいです。
費用を比べるときは、同じ部屋・同じ面積・同じ仕上げ方で見積もりを出してもらうことが大切です。
材料費だけでなく、下地処理や養生を含めた総額で比べると、違いが分かりやすくなります。
見積書の中で、どの製品をどの範囲に塗るのかも確認しておきましょう。

ここでは、漆喰と珪藻土の選び方を目的別に解説します。
白く明るい壁や、なめらかで上品な質感を求めるなら、漆喰が向いています。
白い漆喰の壁は光をやわらかく受け止め、部屋全体を明るい印象にしてくれる素材です。
無垢材の床や板張りの天井と合わせると、木の色が引き立ち、すっきりとした内装に仕上がります。
カビの生えにくさを重視したい方にも、漆喰は魅力的な選択肢になります。
一方で、細いひび割れが出ることもあるため、多少のひび割れも風合いとして受け止められるかを家族で話し合っておきましょう。

北伸建設の「三角屋根の真白な雨楽な家」では、LDKの壁を白い漆喰、天井を板張りにしています。
白い壁が木の天井や柱の色を引き立て、明るく落ち着いた空間になっています。
▶︎▶︎▶︎事例詳細【三角屋根の真白な雨楽な家【35坪】】へ
土のような素朴な風合いや、湿気を吸ったり吐き出したりする調湿性を重視するなら、珪藻土が向いています。
マットで落ち着いた質感は、和室や、木・土を活かしたナチュラルな内装になじみやすいです。
仕上げ方の種類が多く、土壁のような表情のある仕上げから、漆喰のようなフラットな仕上げまで幅広い選択肢があります。
小さなお子さまがいて壁に触れることが多いご家庭では、表面の強度も製品選びの判断材料にしましょう。

北伸建設の「全館空調の家」は、壁と天井に珪藻土を使った住まいです。
写真の和室は、白い壁に緑色の天井を合わせ、畳と無垢の床になじむ落ち着いた空間に仕上げています。
全館空調を備えた住まいで、現在は北伸建設のモデルホームとして実際にご覧いただけます。
▶︎▶︎▶︎事例詳細【全館空調の家【51坪】】へ
漆喰と珪藻土のどちらか一方に、家全体をそろえる必要はありません。
たとえば、明るく見せたいリビングは漆喰、落ち着いた雰囲気にしたい和室は珪藻土というように、部屋ごとに使い分ける方法があります。
リビングの壁の一面だけを塗り壁にするなど、範囲を絞って取り入れるのもひとつの方法です。
範囲を絞れば費用を抑えやすく、空間のアクセントとして質感の違いも楽しめます。
水や油がはねやすいキッチンまわりなどは、汚れの落としやすさも考えて壁材を選びましょう。
北伸建設の2つのモデルホームでは、「自然素材たっぷりでやわらかな住み心地の家」で漆喰の壁を、「365日どんな季節も床から快適な家(全館空調の家)」で珪藻土の壁をご覧いただけます。
漆喰と珪藻土の質感の違いを実際に見て触れて確かめたい方は、モデルホームへお気軽にお越しください。

最後に、漆喰と珪藻土についてよくある質問にお答えします。
樹脂が入っているかどうかだけで、よい・悪いは決められません。
珪藻土はそれだけでは固まらないため、セメントや樹脂、石膏、消石灰などの固化材を混ぜた壁材が一般的です。
樹脂を固化材に使う製品もあれば使わない製品もあり、配合はメーカーや製品ごとに異なります。
気になる場合は、製品名と成分、安全データシート(SDS)などの資料を、施工会社やメーカーに確認しましょう。
化学物質に敏感な方は、仕上げ材だけでなく下塗り材まで成分を確認し、サンプルで確かめておくと安心です。
漆喰や珪藻土の壁にするだけで、結露やカビを防げるわけではありません。
塗り壁が吸ったり吐き出したりできる湿気の量には限りがあり、湿気の多い状態が続けば、壁だけでは対応しきれません。
結露は、暖かく湿った空気が冷たい面に触れることで起こります。
結露やカビを防ぐには、住まい全体の断熱性能を高め、換気で湿気を外へ排出するのが基本です。
漆喰の防カビ性も、表面にほこりや汚れが付いたり、中性化が進んだりすると働きにくくなります。
塗り壁の性質を活かすためにも、断熱と換気の計画とあわせて考えましょう。
断熱と換気を含めた住まいの確認ポイントは、以下の記事で解説しています。
普段のお手入れは、ハタキやハンディモップでほこりを落とす程度で十分です。
手垢や鉛筆の跡などの軽い汚れは、消しゴムで落とせる場合があります。
落ちにくい汚れは、目の細かいサンドペーパーやメラミンスポンジで、表面を軽くこすって落とす方法もあります。
水拭きや強くこすることを避けるよう案内している製品もあるため、製品のお手入れ方法を確かめ、目立たない場所で試してから行いましょう。
補修の範囲や方法は、引き渡しのときに施工会社へ確認しておくと安心です。
今回は、家づくりの壁材として使われる漆喰と珪藻土の違いと失敗しない選び方について解説しました。
漆喰は白くなめらかな質感とカビの生えにくさ、珪藻土は素朴な風合いと調湿性を特徴とする製品が多くあります。
仕上がりや性能、費用は製品と仕上げ方で変わるため、塗り見本や製品の資料、同じ条件の見積もりで比べることが大切です。
今回の内容を参考に、暮らしに合う壁材を選んでください。

HOKUSHIN(北伸建設株式会社)は、地元山梨県北杜市を中心に、「居心地のよい住まい」を届けたいという想いで、お子さまのいるご家族からセカンドライフを考える方まで、誰もが健康的に暮らせる家をご提案しています。
現在は、2つのモデルホーム「自然素材たっぷりでやわらかな住み心地の家」「365日どんな季節も床から快適な家(全館空調の家)」を軸に新築事業を展開中です。
自然素材の壁で、心地よい住まいをつくってみませんか。
ご相談では、壁材の質感や使う場所の考え方から、お手入れの方法まで、ご家族のご要望にあわせてご提案いたします。
ぜひ施工事例もご覧いただき、ご相談ください。
【モデルホーム】
・365日どんな季節も床から快適な家(全館空調の家)
パッシブデザインを取り入れ、全館空調で家中どこにいても快適な温度を保てる住まいです。平屋のような暮らしやすさを追求した半平屋など、新しいスタイルもご提案しています。
・自然素材たっぷりでやわらかな住み心地の家
勾配天井や薪ストーブを設けるなど、木のぬくもりを活かした家です。長期優良住宅に対応しており、住まいの耐久性や省エネ性も高めています。


北伸建設 専務取締役 秋山龍也
資格:
一級建築施工管理技士/二級建築士/宅地建物取引士
山梨県北杜市を拠点に、創業48期目の北伸建設で自然素材を活かした注文住宅を年間約10棟手がける。
家族一人ひとりが健やかに暮らせる“体に優しい住まい”を理念とし、無垢材を活かした「雨楽な家」を採用。
三児の父としての実体験をもとに、30年後も「建ててよかった」と思える家づくりを追求中。