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2026/10/25
木造住宅の寿命は、よく耳にする「22年」や「30年」といった具体的な数字で定められているわけではありません。
建てるときの性能や、住み始めてからの手入れによって、実際に住み続けられる年数は大きく変わります。
そこで本記事では、木造住宅の寿命の目安と耐用年数の違い、寿命を縮める原因と対策、長持ちさせる家づくりと暮らし方のコツを解説します。
長く暮らせる木造住宅を建てたい方は、ぜひ参考にしてください。
このコラムを読んだら分かること

木造住宅の「寿命」と「耐用年数」は、意味の異なる言葉です。
寿命は実際に住み続けられる期間を指し、法定耐用年数は税金の計算に使う期間を指します。
2つを混同すると、木造住宅の法定耐用年数から「22年で住めなくなるのでは・・・」といった誤解につながります。
ここでは、木造住宅の寿命の目安と耐用年数について解説します。
木造住宅の寿命は、建てたときの性能と、その後の手入れしだいで変わります。
国土交通省の日本住宅性能表示基準では、劣化対策等級3を「通常想定される自然条件及び維持管理の条件の下で3世代(おおむね75~90年)まで、大規模な改修工事を必要とするまでの期間を伸長するため必要な対策が講じられている」状態と定めています。
75〜90年という期間は、決められた劣化対策と適切な維持管理を続けることが前提です。
一方で、「木造住宅の寿命は約30年」という話を耳にした方も多いのではないでしょうか。
これは、取り壊された住宅などの、建築から取り壊しまでの年数を平均した数字がもとになっています。
新しく建てた住宅があと何年使えるかを示した数字ではないため、「30年で寿命」と考える必要はありません。
適切な性能で建て、手入れを正しく続けていけば、木造住宅は子や孫の世代まで住み継ぐことができます。
木造住宅の耐用年数としてよく目にする「22年」は、税金の計算に使う法定耐用年数です。
国税庁によると、法定耐用年数は、建物などの取得にかかった金額を各年の必要経費として分けていく「減価償却」に使う期間として、財務省令で定められています。
〈参考〉国税庁ホームページ「No.2100 減価償却のあらまし」
国税庁の計算例でも、木造(住宅用)の法定耐用年数は22年として示されています。
〈参考〉国税庁ホームページ「No.2108 中古資産を非業務用から業務用に転用した場合の減価償却」
22年は税金の計算上の年数で、22年たつと住めなくなるという意味ではありません。
この数字は、自宅を貸し出すときや売却するときの税金の計算などで使われます。
実際の寿命を延ばすには、次に紹介する劣化の原因を知り、適切な対策を講じることが大切です。

木造住宅の寿命を縮める大きな原因は、湿気や虫による木材の劣化です。
ここでは、木造住宅の寿命を縮める3つの原因と具体的な対策を解説します。
雨漏りや配管からの水漏れは、木造住宅の寿命を縮める大きな原因です。
木材が濡れた状態が続くと、カビや菌の繁殖につながり、強度が落ちてしまいます。
雨水は、屋根と外壁の取り合いや窓まわり、バルコニーの床、外壁のつなぎ目のシーリングなどから入り込みやすくなります。
こうした防水の弱い部分を知っておき、外から見える範囲で、ひび割れやシーリングの切れがないかを確認しましょう。
天井や壁に雨染みを見つけたら、表面だけを補修するのではなく、原因を調べたうえで適切に対処することが大切です。
湿気や結露も、木材を傷める原因になります。
窓の結露だけでなく、壁の中や床下など、目に見えない場所で起こる結露にも注意が必要です。
壁の中の結露は、室内の暖かく湿った空気が壁の中に入り込み、冷たい部分で冷やされることで起こります。
北杜市のように冬の冷え込みが厳しい地域では、室内と屋外の温度差が大きくなるため、結露への対策がとくに大切です。
壁の中の結露を防ぐには、断熱材をすき間なく施工し、室内側の防湿と、壁の中の湿気を外へ逃がす通気性の確保が重要です。
住み始めてからは、24時間換気を止めずに使い、室内に湿気をためないようにしましょう。
床下に換気口がある家では、空気の通り道をふさがないことも大切です。
高気密高断熱な住まいで後悔する理由と対策については、以下の記事で解説しています。
シロアリは、床下や柱などの木材を食べて、建物の強度を下げてしまいます。
被害は床下や壁の中で進むことが多く、気づいたときには広がっているケースもあります。
新築時は、地面に近い部分の木材に防蟻処理を行い、建物の足元からシロアリの侵入を防ぐことが大切です。
薬剤の効果は年数がたつと弱まるため、再処理の時期を施工会社に聞いておきましょう。
床下は定期的に点検し、蟻道(土でできたトンネル状の通り道)や木材の傷みを早めに見つけることが大切です。

ここでは、新築時と入居後のタイミングに分けて、木造住宅を長持ちさせるポイントを解説します。
新築時は、劣化対策等級や長期優良住宅の基準を、家の寿命を考える際の目安にしましょう。
劣化対策等級は、構造躯体を長く使うための対策がどの程度講じられているかを示すもので、等級3が最も高いです。
長期優良住宅は「長期にわたり良好な状態で使用するための措置」が講じられた優良な住宅で、建築と維持保全の計画を作成し、所管行政庁に申請して認定を受けるものです。
認定を受けるかどうかにかかわらず、劣化対策や維持管理の基準は、長持ちする家かどうかを判断する物差しになります。
北伸建設では、構造計算にもとづき、子世代・孫世代まで住み継げる耐久性を備えた住まいをご提案しています。
長期優良住宅の認定を受けるかどうか迷っている方は、以下の記事も参考にしてください。
家を長持ちさせるには、点検や修理がしやすい設計にしておくことも大切です。
床下や小屋裏に点検口があれば、雨漏りやシロアリ、配管の水漏れなどを早く見つけられます。
点検口は、人が作業しやすいサイズ・位置になっているかも事前に確認しましょう。
給水管や排水管などの配管は、一般的に構造躯体より短い年数で交換が必要になる設備です。
配管をコンクリートに埋め込まず、床下などから点検・交換できるようにしておけば、建物を傷めずに設備だけを新しくできます。
北伸建設の長期優良住宅でも、構造躯体に比べて耐用年数が短い配管設備は、点検・清掃・補修・更新がしやすいように計画しています。
設計の打ち合わせでは、将来の点検や交換の方法まで質問しておくと安心です。
入居後は、屋根や外壁、床下、給排水設備など、部位ごとに点検の時期を決めておきましょう。
点検の時期は建物の仕様や材料によって異なるため、引き渡しのときに施工会社と決めておくと安心です。
認定の有無にかかわらず、点検の結果や修理の内容、図面や仕様書はまとめて保管しておきましょう。
記録が残っていれば、次の修理の判断がしやすくなり、将来子世代に住まいを引き継ぐときや売却するときにも役立ちます。
外壁の塗り替えや設備の交換など、まとまった費用がかかる修繕は、時期の目安を決めて計画的に備えることが大切です。
木造住宅のメリット・デメリットや家づくりのポイントについては、以下の記事で解説しています。

最後に、木造住宅の寿命についてよくある質問にお答えします。
100年住めるかどうかは、建てたときの性能と施工、その後の維持管理によって変わります。
長期優良住宅の認定基準では、通常想定される維持管理のもとで、構造躯体を少なくとも100年程度使い続けられる対策が求められています。
ただし、これは決められた対策と維持管理を行うことを前提にした目安で、100年住めることを保証するものではありません。
例えば、法隆寺のように1000年以上残る木造建築もあります。
100年を目指すなら、本記事で紹介した対策を、建てる前から住み始めた後まで継続することが大切です。
設備や内装は途中で交換やリフォームが必要になるため、長く住むための費用も計画に入れておきましょう。
築年数だけで、建て替えるかどうかを決める必要はありません。
同じ築年数でも、建てたときの性能やメンテナンスの状況によって、建物の状態は異なります。
建て替えを検討するときは、構造の傷みや雨漏り、耐震性、これまでの修繕の記録などを調べたうえで、リフォームと建て替えの費用を比べましょう。
これから新築する場合は、点検や修繕がしやすい家にしておくことで、将来も住み継ぐ選択ができます。
構造の種類だけで、住宅の寿命を判断することはできません。
法定耐用年数は鉄筋コンクリート造の住宅のほうが木造より長く定められていますが、これも税金の計算に使う年数です。
鉄骨はさび、鉄筋コンクリートはひび割れや内部の鉄筋のさびなど、構造ごとに傷みやすいポイントがあります。
どの構造でも、劣化への対策と施工の品質、入居後の維持管理によって、実際に住める年数は変わります。
木造住宅は、点検や部分的な修理、間取りを変えるリフォームなどに対応しやすいのも特徴です。
構造を選ぶときは、耐用年数の数字だけでなく、長く住むための対策と手入れのしやすさで比べましょう。
木の住まいの心地よさや、長く住むための工夫を実際に確かめたい方は、北伸建設のモデルホームへお気軽にお越しください。
木造住宅の法定耐用年数の22年は税金の計算に使う年数で、実際に住める年数とは異なります。
木造住宅の寿命は、建てたときの性能と、雨漏りや湿気、シロアリへの対策、入居後の点検とメンテナンスによって変わります。
新築時に劣化対策や維持管理の計画を考え、入居後は点検と適切なメンテナンスを続けることが、長く住み続けるためのカギです。
今回の内容を参考に、長く暮らせる木造住宅を実現してください。

HOKUSHIN(北伸建設株式会社)は、地元山梨県北杜市を中心に、「居心地のよい住まい」を届けたいという想いで、お子さまのいるご家族からセカンドライフを考える方まで、誰もが健康的に暮らせる家をご提案しています。
現在は、2つのモデルホーム「自然素材たっぷりでやわらかな住み心地の家」「365日どんな季節も床から快適な家(全館空調の家)」を軸に新築事業を展開中です。
子や孫の世代まで長く暮らせる木の住まいを、一緒に考えてみませんか。
ご相談では、構造や劣化対策の考え方から、点検やメンテナンスのしやすい間取りまで、ご家族のご要望にあわせてご提案いたします。
ぜひ施工事例もご覧いただき、お気軽にご相談ください。
【モデルホーム】
・365日どんな季節も床から快適な家(全館空調の家)
パッシブデザインを取り入れ、全館空調で家中どこにいても快適な温度を保てる住まいです。平屋のような暮らしやすさを追求した半平屋など、新しいスタイルもご提案しています。
・自然素材たっぷりでやわらかな住み心地の家
勾配天井や薪ストーブを設けるなど、木のぬくもりを活かした家です。長期優良住宅に対応しており、住まいの耐久性や省エネ性も高めています。


北伸建設 専務取締役 秋山龍也
資格:
一級建築施工管理技士/二級建築士/宅地建物取引士
山梨県北杜市を拠点に、創業48期目の北伸建設で自然素材を活かした注文住宅を年間約10棟手がける。
家族一人ひとりが健やかに暮らせる“体に優しい住まい”を理念とし、無垢材を活かした「雨楽な家」を採用。
三児の父としての実体験をもとに、30年後も「建ててよかった」と思える家づくりを追求中。